違和感の正体

マリア様がみてる」の最新刊、「未来の白地図」を読む。発売から一月ほど経っているのでやや遅い感じがするが、まぁ仕方ない。
ここで感想を述べることは、まだ読んでいない人がいるであろうから避けるが、読んでいた最中の「違和感」について少し。
最新刊を読んでいて、私はちょっと「違和感」を感じていた。あれ、これはなんの話だっけか、と。言うまでもなく「マリみて」なのだから、これまでの22冊の続きで間違いない*1。これまでのストーリーはよく頭に入っている*2。しかし、なんでこんな違和感が。違和感を感じたことに戸惑う。
読み終わり、本を置く。しばし、「違和感」の正体を考える。置いた本をふと見る。すると違和感の正体が分かった。普段からよく読む本を手の届くところに乱雑に置いており、「白地図」もその一冊に加わったのだが、その本だまりをよく見ると、マリみて」の同人誌がたくさん積まれているのである。
前回の冬コミ、私は特に文庫小説を書かれている方のところを回り、本を買ったり頂いたりした。それらを正月に読ませて頂いたが、どれも面白いの一言。原作ストーリーと原作ストーリーの間の空白を埋める話だったり、はたまた原作とは全然違うストーリーを紡ぎ出していたり。それぞれの書き手が生み出す「マリみてワールド」に浸かった正月休みだった。
私の方でも、前回の出版の直後、いやもうその前から、次回作、次々回作の構想が頭の中に浮かんでいる。大変ありがたいことに、今は書きたいことばかりだ。仕事の最中、「あの題材を修学旅行と絡めて……」などと思い浮かび、喫煙所に駆け込んでメモを取ったりしている。こう言うとき、私の中での「マリみて」は、主人公は真美と三奈子であり、事件や人を追い続ける姿がストーリーを紡ぎ出していく。
そんな感じで、自分なり、他の方なりの「マリみて」ワールドを覗いていたり作っていたら、肝心要の本家本元、今野氏の「マリみて」ワールドが、どこか別の世界になってしまったのかもしれない。肯定的に捕らえれば、それは「マリみて」ワールドが多くの引き出しを持っていて、ifを生み出しやすいバックグラウンドを持っているのだろう。そう考えると、改めてこの本の面白さを再認識する。
ただ、我々がどんな世界観を持っていようと、基本は、今野氏の「マリみて」であることは間違いない。ここからifを作るのはいいが、これを蔑ろにするような本を書いたらいけないのではないか……。改めて感じたところです。


<既に読んだ方向けへの感想>
余り詳しく触れませんが、私が「違和感」を感じたのは、多分、ストーリー展開が、望んだ方向と違うからというのも非常に大きいかと思います。まぁ、こういう展開になるのは薄々分かっていたし、ネット上でも盛んに言われていたことですが。
私が望んだ方向? それはページを熟読されている方なら、恐らくおわかりになるのではないかな、と期待します。分からなかったら、今度聞いてみてください(^^

*1:随分出されているなぁ、というのが率直な感想。

*2:今回本を書くに当たって、一通り読み直した。最も、ストーリーを楽しむ、と言うよりは、事実関係を確認する方に主眼を置いていましたが。