まさか!のコミケットリポート

8/12。深夜。
赤木は一人、本の数量を数えていた。最近売上が落ちているから、何冊持って行くか難しいところ。しかし、今回は最終巻ということでまとめ買いも期待できる・・・などと思いつつ、準備を着々と進めてきた。
今日ここまでの準備は非常によい感じだ。前回、ディスプレイにあまりにも凝らなかった反省をふまえ、色々な小物大物を準備してきた。今回は、きっと悲しい思いはせずに済むだろう。
ペーパーの準備もOK。今回は次回作についての爆弾告知もある。さて、反応が楽しみだぜ・・・。
そんなこんなで三時過ぎ。さあ、寝よう。そうだ、キンコーズに行かねばならないから五時に携帯電話の目覚ましをセット。さて、明日が楽しみだ・・・

zzz

はっ
赤木、目が覚める。窓の外が異様に明るい。む、五時ってこんなに明るいか?と携帯電話を取り出すと、なんと11時20分!や、や、やっちまった!!!!!!!!!!まさかの大遅刻!そして携帯電話の履歴には、多数のメールと電話が。あああ、なんてこったい。こんな大一番でこんなことになろうとは!兎にも角にも、今日手伝ってくれる予定になっているJH君ことJhon Hasawayに電話。しかしメールだと「来ないなら帰るぞ」とあった。もう、すべてが、遅いのか・・・。
電話がすぐにつながる。
j.h.「おい、どうした」
赤「ね、寝過ごしちまった。俺、どうすれば・・・」泣きそうになる赤木。
j.h.「お前の知り合いが何人か来ているぞ」
赤「な、なんだと?」こんな遅刻をした俺を、まだ見捨てていない人がいるっていうのか? 突然元気が出てくる。
赤「二時だ、二時にはそっちに行く!」
電話を即切って、荷物を手にとって家を飛び出す。とにかく、一分でも早く会場へ! と思いきや、今日終わった後に行く巨人vs阪神のチケットがなくて20分部屋を探し回る赤木
電車に飛び乗り、アルミトランクに腰掛ける。電車に乗ったらもう急ぎようがない。とにかく耐えるのみ。しかし、本当になんでこんなことに・・・いや、悪いのは俺。自分を過信しすぎた。そのせいで、こんなに遅刻してしまった。常連のあの人やこの人は、もう帰ってしまっただろうか・・・。顔が頭の中に浮かぶ。くそっ、年に二回の楽しみのはずが、自分のへまのせいで、四時間も無駄にしてしまうとは・・・俺はなんてバカなんだ。
そうこうする内に、上野に到着。
上野に着いたら、フェデックスキンコーズに寄る。今回の表紙を、なんとB2出力してポスター化したのだ。まぁ俺のへまのせいで、このポスターも二、三時間しか日の目を見ないわけだが・・・とはいえ、せっかく作ったのだから、一分でもいろいろな人に見せたい。ポスターを受け取る。本当はPCでペーパーを作るつもりだったが、PCが埋まっていた。時間がないので、ポスターだけ持って日比谷線に飛び乗る。
日比谷線八丁堀駅で下車。地上に出て、ローソンで煙草を買う。本来なら京葉線で新木場、そしてりんかい線だが、今は時間が惜しい。ここからタクシーだ。十字路に立つと、ほどなくタクシーがやってきた。ビッグサイトへ、というと、ああ、コミックショー(ちょっと違うような)ですか、それなら首都高を使うと早いですよ、と運ちゃん。速さ重視だ。それでお願いしますと即答。京橋ランプから首都低速・・いや首都高速道路へ。
首都高は空いていた。これなら早かろう。煙をふかしながら東京湾を見つつ、運ちゃんと何気ない話をする。すると、なぜか運ちゃん、郵政民営化と反対派議員の話になった。「あれで公認をくれなんて言う方がおかしいですよ」と、反対派議員の悪口を言う。うむむ、これはタクシー業界団体が自民党をプッシュしようとしているのだろうか? まぁここで政治談義をしてもしょうがない。適度に話を合わせる。タクシーは、すぐにレインボーブリッジを渡って有明に着いた。
ビッグサイトに到着。アルミトランクと鞄二つを抱えてスペースに走る。スペースには、j.h君、十余二さん、jimmyさんがいた。ああ、待っていてくれたのか・・・三人を見て感動する。即座に謝る赤木。手際よく書類を準備してくれるj.h.君と十余二さん。友情のありがたさを感じないわけにいかない一こまだ。すぐに準備が整い、開店。四時間遅れだが、さあサマーラリーのスタートだ!
その後は意外と順調だった。売り子殿、Tさん、K崎さんらの仲間たちも続々来てくれた。おみやげが嬉しい。「ここを最後に」と言ってくださる常連さん達が非常にありがたい。最終巻お買いあげ。
そして今回、とても嬉しかったのが、既にネットで第一部を見てくださった方がいらしてくれたことだ。「サーラがなんでルークとくっつかないか・・・」なんて話をした。うむむ、サーラとルークの話をするのは実に十年ぶりだ。嬉しくないわけがない。結局このお方、第二部を1〜5のボックス買い。ありがとうございました。他にももう一人ボックス買いをしてくださり、有り難い限り。もしも開局と同時に店を開いていたら、売り切れ続出だったかも?などと思う。ということで、売上面では意外と好調。しかし、最終巻は少し余った。むむー、早めに来た常連の方にお渡しできなかった・・・と思うと、実に申し訳ない気持ち。
そんな間、隣のサークルの人に文庫本印刷の話を聞く。「文庫本は、今なら緑陽社がいいですヨ」などと情報交換できるのも、会場ならではだ。
四時まで、意外と時間があったような気がする。二時間ちょいだが、充実した時間だった。遅刻してごめんなさい。最終巻を買えなかった常連の方、本当に申し訳ない。だけどその一方、致命的なミスをしたにもかかわらず支えてくれた友人達に、ありがとう。そして今回お買い上げたすべての皆様に、厚く御礼申し上げます。


撤収を行い、ゆりかもめへ。以前コミティアで帰りの足に使って以来、意外といいかも?などと思ったゆりかもめ。十余二さんと共に、水道橋へ向かう。
水道橋到着。ここに来たら、目的地は一つ、wins後楽園・・・ではなく、東京ドームである。今日は巨人vs阪神の試合。大阪から来る売り子殿たちと一緒に見に行くことになっていた。同人で知り合った仲間と野球観戦とは。仲間が広がっていくのが、同人誌をやっていて一番よかったと思うことである。
水道橋で売り子殿たちと阪神仲間のアルと合流。東京Dへ。今回は三塁側のかなり上の方だ。全体が見渡せる席である。観客も多いし、実に楽しみだ。
試合開始。序盤は、巨人のペース。というより、先発の杉山、四球出し過ぎ・・・。四球やらよけいなヒットやらで無駄に点を失っていく。むむう、せっかく二人、西から来てくれたのだから、今日は勝って欲しい。
と思ったら金本ホームラン!そしてさらに、代打片岡のタイムリー!これには盛り上がった。同点になり、今日は勝てるだろう!という雰囲気が漂う。
しかしその後は両チーム点が入らない。そうこうするうちに延長十二回。金本がチャンスで凡退、これで阪神の勝ちはなくなった。頼むぞ久保田!抑えてくれ!
久保田、ノーアウト満塁から阿部慎之介にサヨナラタイムリー。
阪神ファン四人で、肩を落としながら秋葉原へと向かうのだった。
秋葉原ではラーメンを食べながらしばし談笑。西日本のお二人には初めての東京D、楽しんで頂けたようなのでちょっとホッとする。
西日本の二人と別れて、マドカ邸へと向かう赤木。どういうわけか、コミケの2日目と3日目の間はケイアント邸かマドカ邸で過ごすのが慣例になりつつある。マドカ、アルと赤木でいただきストリートをプレイ。この日はなかなか勝てずについイライラ。自分が情けない。

翌日朝七時。
駅へ向かう。
今日はjhonが新刊を出す日だ。駅で待ち合わせして、本の輸送係をする。昨日あれだけのことをしてもらった以上、今日はなんでもやるぞ、という気分。
jhon登場。なんと、千冊近い本を抱えている。赤木もカートを引っ張ったが、お、重い!引っ張るだけで腰を痛めそうである。なんとか電車に乗せて、北千住→八丁堀→新木場と進む。
国際展示場到着。会場へと入る。チラシを受け取り、東館のコンビニへ。みんな同じことを考えているのか、印刷機は長蛇の列。前後のお姉さんと少し話をしながら、待つ。その間に、一般入場者達が詰め寄ってくる。中側から見ると、すごい圧力である。ここまで頑張って同人誌欲しいかな〜と思いつつ、欲しいんだよなきっと、と思いつつ。
チラシの印刷が終わった。喫煙所へ向かう。東館の端にある喫煙所からは一般入場待機の列が見える。すさまじい人である。それを優雅に見下ろしつつ煙草をくゆらす俺・・・ちょっと優越感
開場から少し経って、中に戻る。チラシを届けて、自分は同人誌探し。センチ関係を中心に、同人誌を探す。が、なんと!お気に入りサークルで、既に持っている本を買ってしまった!1500円・・・返して・・・。
その後も同人誌を買いに行くが、気づくとかなりの量である。そして気づくと、なんとカネがない!昨日の売上も大半を使ってしまった・・・あんなにかけがえのないお金を使うとは、俺、どういう神経をしているのか・・・反省。
たまに客として同人誌を買いつつ、たまに店番を手伝いつつ、たまに煙草を吸いつつ、なんとなく時間が過ぎる。3日目の東館はとにかく人が多い。その活気を少し感じながら、煙をたなびかせる。
そうこうしている内に、3日目終了。途中はぐれて大変な目に遭うが、なんとか合流してj.h.と共に帰る。なぜか色々熱弁する赤木。

大失態をやらかし、迷惑はかけたものの、充実した3日間だったような気がする。今年の夏も、これで終わりか。すこし、寂しさがよぎる八月第二週。

私のお店に来てくれた人全員に、もう一度感謝します。ありがとうございました