スクールフェスティバル せつなさのおもいで参加

こんばんは、赤木です。

初めにお詫びですが、3/21のコミケットスペシャルのリポートは、ちょっと時間が経ちすぎてしまったので割愛させていただきます。ただ、いろいろな人と出会い、最後酒を乾杯して終わった大変素晴らしいイベントでした。
ただ、当日出した新刊「赤木証券」は、続きを出すかどうかは現在微妙な情勢です。

さて、二週間後。4/1の金曜日。
この日、風邪を引く。おいおい、新刊まだ作ってないのに風邪ひくなよ俺・・・。だいたい新刊も、まだ1/3(ときメモ編の第二章)しか完成してないし!この時点で、4/3せつなさのおもいで不参加の可能性もあり得た。風邪じゃあねぇ。
ただ、前回のコミスペで「神田川」の新刊を落としているので、これ以上落とすのはどうなの?サークルの信用に関わるんじゃないの?それに、センチファンのみのイベントなんて今後参加できるかどうかわからないし、何より俺の目的(「センチの旅」あとがき参照)を果たさなくてもいいの?
とにかくこの日は早く寝よう、とベッドにつく。なんとか本を完成させるつもりで、体を休める。

4/2。朝九時頃起床。
体調は悪いが、動かないほどではない。いそいそと今日と明日の準備をする。家にある電撃G'sエンジン一年分をトランクに詰めた。センチ編はこれが命である。命であるが・・・重い!一年分の雑誌はさすがに重い。これを持って、国会図書館へと向かう。
千代田線の国会議事堂前駅到着。ここから目指す国会図書館までは800メートルぐらい。こんな長い距離、一年分の雑誌持って歩かないといけないのかよ・・・コインロッカーは小さくて、トランクが入らないし。置いていくわけにいかないので、とにかく運ぶ。この近辺、国会議事堂やら首相官邸やら議員会館やら自民党党本部やらとにかく色々あるので、警官が多い。シルバーのアルミトランクを重そうに抱えてふらふら歩く私を、鋭いまなざしで見つめる警官。うう、職質されたらどないしよ。と思っていたが、特に何もなく国会図書館に到着。桜の花がほんの少しだけ開花していた。
国会図書館は鞄持ち入り禁止なので、ノートパソコンだけ取り出して入場。まず、備え付けのパソコンから電撃G'sマガジンを検索する。最初はシスプリ編を書くために、2000年の雑誌を取り寄せる。この国会図書館閉架方式という形式を取っており、普通の図書館とは違う。注文して初めて本が出てくる。
約20分後。本が到着したことを示す、自分のカード番号がモニタに表示されている。カードを出して本を受け取る・・・おいおい、表紙むき出しやんけ。咲耶のイラストがでかく描かれている。それを見て白い目を投げかける受付のお姉さん。俺は研究目的なのだ〜!と叫びたいが、まぁしょうがない。
気を取り直してシスプリ研究。シスプリって随分長く続いてるのね。01年に掲載されていた「シスプリのこれまで」的な特集を大いに参考にしながら、まとめる。
次に時代を10年戻して、91年から二年分のマル勝PCエンジンを読む。今度は銀河お嬢様伝説ユナの研究だ。ユナがどこからどういう形で始まったのかを調べる。今回の研究を通じて、少しユナファンになってしまった私。ユナコーナーを読む。「(主人公ユナが在籍する)白丘台女子高では、朝のあいさつはごきげんようなんですよ」マリ見てじゃん!やっぱお嬢様学校とごきげんようは切って切り離せないのか。今度ごきげんよう研究の本を出してみたかったりする赤木。
五時になり、国会図書館が閉館。また激重のトランクを持って、今度は友人ケイアント君の家に行く。彼の家は事務所がある関係で、コピー機がある。これ目当てで何回かおじゃましている。行くと、マドカとショウが来ていた。途中からてっちり君も来る。いただきストリートをプレイしている横で、私は原稿を書き続ける。最後にセンチ編を書く。ここが肝である。持ってきた雑誌をめくりつつ、当時をまとめる。
1時頃。原稿が完成。やったー、と安堵。印刷して、友人達に見せる。ギャルゲーに詳しいてっちりは、原稿をみて「結構いいんじゃん」と評価。彼にそう言われれば結構いけるぞ。だが、ギャルゲーにあまり興味なく、硬派ゲーマーのショウからは、「これお前の自己満足じゃねーかよ」と痛烈な批判。「出版ってのはそもそも自己満足の要素があるんだよ」と反論しつつ、しかし心の中でそうなんだよなぁと思う。最後の方なんかはノリノリで書いたせいでかなりそんな感じだし。彼の言葉を聞いて不安になる。しかしとにかく印刷開始。コピー機が遅くて4時間近くかかる。結局8時半を超え、プリキュアが始まった後に、ケイアント邸を後にして、蒲田を目指す。
蒲田。会場のアプリコにつくと、すでに並んでいる人が15人ほどいる。おお、すげぇな。並んでまで買おうというセンチファンがいるのか。驚きつつ、会場入り。両隣にあいさつして、製本を開始する。「赤木証券」もそうだったが、最近会場で製本するケースが多いような気がする。六冊ほど製本して、あとはまぁオンデマンドで行くかと決定。
そして切り札、96年9月号、センチ登場第一弾の電撃PCエンジンの切り抜き。これで懐かしがってもらえれば、勝ったも同然だ。

開場。サークルみんなが拍手する中で、一般客の入場が始まる。さて、一体一般客からどんな評価を下されるのか・・・すごく不安になる。不安になると同時に、隣に座っていたサークルぎやまん亭さまの妙子コップを速攻購入したりする。
しばらくして、第一弾お買いあげ。喜ぶ。この後だった。続々と人が来て、本を、あるいは切り抜きを手にして頂く。特に切り抜きは好評で、「なっつかし〜!」の声連発。狙い通り、かなり注目してくれている。「自分も持っていましたよ」と言う方も多数。そうした人たちに今回の本の目的を話すとかなり喜んでもらえるようで、本も続々売れる。びっくりである。サークルの前に4人以上並んだのは、今回が初めてかもしれない。すぐに製本分がなくなり、折りながら話しながら売るという忙しい展開が続く。
十一時半頃、今回手伝いをしてくれるJH君到着。即座に製本を依頼。だが、売れ行き好調で、作った端から売れていく。
売り切れ直前で、私は決断する。
「増刷だ!」
JH君に5000円を握らせて、蒲田駅前のコンビニに走ってもらう。その間も、来て頂いた方には「現在蒲田駅前で印刷中です!」と場を盛り上げる。
一時間ほどで、JH君帰還。このイベントを教えてくれたjimmy氏にも来て頂いた。ここからが後場だ。本を、切り抜きを手にしてくれた方に、夢中で説明・・・というより、「講義」を開始する。特にシスプリとセンチの関係についての話を何度もした。シスプリもセンチもクソゲーだったのに(こういうと爆笑が起きる)、シスプリは生き延び、センチが消えた理由は何だったのか。ここが私の原点である。途中からは図まで使って解説し始める。
ああ楽しい。これまでのサークル活動の中で、かつてこんなに盛り上がったことがあっただろうか。売上数もさることながら、自分自身の考えをまとめた本を、こんなにも多数の方に認めて頂いたと思うと本当に嬉しい。
最初は刷りすぎかと思った増刷分も、最後の最後で完売。自身二年ぶり三度目の完売。同人屋としては最高の気分。JH君と手を打って喜ぶ。
最後はビンゴ大会で締められたこのイベント。最後まで大盛り上がりであった。センチという、「歴史から消えた」ゲームの真のファン達がこんなにもいて、こんなにも熱いとは。金曜日時点で、風邪を理由にして不参加にしなくてよかった。参加して、よかった。私は大満足の末、蒲田を後にするのであった。

お買いあげ頂いた皆様、本当にありがとうございました。