国産ガンバレ!

人間、できると思っていたことができないと、慌てる。そんなことを再確認させられた事件だった。
12/1。原稿もなんとか完成。完成した原稿をテキストからMS-WORDにコピーする。小説形式にしたら何ページかを確認するためなのだが、それ以上に形になるのが嬉しくてやっているようなものだ。
文庫本サイズ、42文字*17行にレイアウトすると、なんだか文庫やってるなぁという気分になって嬉しくなる。そして、次に確認したのがルビだ。
マリア様がみてる」は、振り仮名の多い小説だ。紅薔薇さまロサ・キネンシスという具合に、当て字が多数登場する。今回作る文庫も、当然その辺は再現するつもりだった。早速、WORDでルビを振ってみると・・・
行間が空く。
おいおい、なんだよこれ、と驚く。WORDがよけいなことをするのはよく知っているが、こういうことまでやってくれちゃうわけ? これじゃ格好悪くて文章にならないよ。なんとからなんのか。
ネットを使って検索。どうやら有名なことらしくて、対応方法もすぐに見つかった。行間を手動で設定する方法を使えば、行間を元に戻せるらしい。ホッとしてやってみると・・・
ルビが欠ける
なんじゃこりゃー!これじゃ話にならんわ。WORDでルビは無理なのか? 手元に置いてある、いつも参考にしているマリ見て同人誌(文庫本)を開く。すると、この本はルビをまったく使っていない。最初からなしにしたのかトライして失敗したのか・・・知る由もないが・・・
赤木は考えた。一ページあたりの行数を減らすか? いや、それをやると、見た目もあまりよくないし、ページ数も大幅にかさむ。じゃあ、ルビをやめるか? しかしこれも否だ。当て字はマリ見ての世界観を表現するには絶対に必要な要素だ。あと、今回の小説では新聞用語を少し入れているのでこっちにもルビを振らないことには、意味が分からない。
ルビはやめられない。しかし、WORDでは実現できない。となれば、答えは一つ。WORD以外のソフトを使うしかない。
引き続きネットを調べる。すると、2ちゃんねるにぶち当たった。普段は、あまり見ないしそれほど好きでない2ちゃんだが、こういうときは役に立つ。書き込みを読むと、やはりルビの問題はみなが文句を言っているようだ。そして、「一太郎ならこんな問題は起きない」とも書かれている。一太郎はWORDと違い、文字が重なった場合、欠けずに重なって表示されるとのこと。行間さえ気をつければ、いけそうだ。生まれて初めて2ちゃんねるに感謝。
一太郎かぁ・・・国産ワープロソフトの代名詞ながら、マイクロソフトのインチキ商法によって今や主流から外れたソフト、という人並みのイメージしかない。以前少し使っていたが、長く使っていなかったな。しかし、一太郎ならこのルビ問題を解決できるようだ。値段は、17000円ぐらい。ちょっと高い。だが、今後しばらくマリ見て小説を書くつもりの身としては、クオリティを上げる努力はするべき!よし、買おう!と、決断したのが12/2の未明。次の日は眠かった。
で、今日。原稿を校正サービスに投げてから、秋葉原へ。ヨドバシカメラへ行く。二階のビジネスソフトコーナーに行くと、ジャストシステムコーナーがあった。コーナーには真っ赤な一太郎がたくさん並べられている。
さて、その一太郎、よく見るといくつか種類がある。学割が使えるキャンパスキットと、バージョンアップ版は買えないからいいのだが、困ったのがキャンペーン版。これはMS-WORDがある場合、インストールできるとのことだが、自分はユーザ登録してない。帯にはMS-WORDのユーザ登録が必要と書かれてる。値段は、本製品より安い9800円。うーむ、こっちの方を買いたいが、万一インストールできなかったら、9800円をどぶに捨ててしまう。これは迷う。
とはいえ迷ってもしょうがないので、店員を呼び寄せる。眼鏡を掛けた、二十代中盤ぐらい・・・自分と同じ程度のやせた店員に、ユーザ登録していないんですが、どうなんですかと聞いてみる。すると店員、パッケージを持ってかなり困った表情。明らかに知らないことが見え見え。そして店員、「ここにユーザ登録した人用って書いてありますから」と言い出す。おいおい、そんなこと見れば分かるって。しかし何を質問しても、ここに書いてありますからの一点張り。じゃあ17000円の方買うしかないのかなぁ。店員はすみませんと言って去っていった。
ヨドバシカメラを出る。あの説明で納得がいくわけがない。まぁ一太郎も今や主流から外れたソフト。詳しい人が少ないのはしょうがないが、それにしたってもう少し調べてくれてもいい。誠意の問題だと思うのですが・・・。
少し歩いて、ラオックスに来た。なんかヨドバシで腹が立ったら、必ずラオックスに来ているような気がする。五階のビジネスソフトコーナーに寄って、店員に話しかける。するとこちらでは、「断言はできませんが」とか「グレーな話なんですが」と前置きしつつ、「ライセンスを入力する画面はないらしいです」「WORDの入っていないマシンでもインストールできたとか」というようなことを説明してくれる。そうそう、こういう話を聞きたかったわけ。思い切って、安いキャンペーン版を購入。これがインストールできなかったら、大損だな・・・と思いつつ、帰路につく。
そして、今、家では快適に一太郎が動いています。いやー、ヨドバシで決断していたら高値掴みをするところだった。危ない危ない。あ、本題のルビは、一太郎ではばっちり振れました!さすがは純国産のワープロソフト!経営がへたくそなジャストシステムだが、俺はやっぱり応援するぞ!