表現を愛する。

編集手帳更新するするっつって二週間たっちまったよどうしたもんか、と慌てている赤木です。こんにちは。
まずはサンシャインクリエイション33、お疲れさまでした。当日本をお買い上げ頂いた皆様に、御礼申し上げます。ありがとうございました。


さてサンクリの回顧の前に、ちょっと一筆。
コミックマーケット代表の米沢嘉博氏が亡くなったらしい。それを聞いて、あることを思い出した。コミケットプレス24を取り出す。私と米沢氏の唯一の接点が、ここにあった。何気なく読んだ(普段は読まない)巻頭の「ごあいさつ」の米沢氏の文章に、むっ、と惹きつけられたことを思い出した。
米沢氏はこの中で、「同人誌界に活気がなくなると、新しい作品への待望論がわき上がってきます」「同人誌は自発的なものであり、内的な欲求から始まる」から、作品に対する「熱狂がなければ、書きたい、本を出したいという気持ちがなければ、同人誌は生まれてきません」と前置きし、「が、本当は、マンガや小説、etcの表現ジャンルそのものへの「愛」へと一歩進めていくべきかもしれません。書くことが、本を出すことが、それを読んでもらうことが、内的な欲求であることを自覚すること。そこに本当の熱狂があり、それが同人誌であることに気づいてもらいたいと思います」とあった。
この文章、一次創作から始めた私にはよく分かる。今でも、その気持ちは持ち続けている。が、しかし、現状を見る限り、多くの同人誌ファンがそれに気づく日はないんじゃないか、と否定的に思った。
ただ一つ、「あーこの人は、同人誌が好きなんだな。マンガが、小説が、表現することが好きなんだな」と思った。こういう人が代表してんのか、と思った。そう考えると嬉しかった。
今にして思うと、この原稿を書いたときは既に体がだいぶ悪かったのだろう。そんな中で筆を進めたと思うと、胸が熱くなる。

氏が「自分」という意識を失う直前、「あー、俺の人生楽しかったなァ」と思ってくれていたと、信じたい。安らかにお眠り下さい。
そしてもう一つ。氏の死因は肺ガンであると聞いた。確かにイラストではいつもタバコをくわえていたような……これを機会に、私自身もタバコを完全に断つことにする。