新完成作記①ストーリーは……

落ち着いたところで、今回の製作工程をレポートします。

同人誌を書き始めてから四年半、小説を書き始めてから十五年*1、今回ほど制作面で苦戦したことはなかったかもしれません。いつも半年ぐらい前には「こんな感じの本を書くかな」という構想が頭の中に浮かび、キャラクタ、背景、ラストなどをほぼ決めてから書いています。
ところが今回はテーマだけ決めて、細かいところは全然決めない、というより決められないまま十一月を迎えてしまい、何にせよ時間がないからもう書かないと、ということでパソコンに向かいました。
しかし全然進みません。とりあえず書いてみるも乗りが悪い。乗りが悪いから文章が全然つながらず、中学生の作文状態に。「こりゃまずいんじゃないの……?」と本気で思い始めました。
今回の本には数人の生徒が登場し、彼女らを真美が追うという構成になっているのですが、迷っていたのは彼女らのキャラクタが固まらないこと。それがあやふやなまま見切り発車したので、全然浮かんでこなかったのです。ですが、書き始めてから一週間、十日ぐらい毎日真美や登場人物のことを考え込んでいると、だんだんと「こういう設定はどうかな」「こんなせりふを言わせてみようか」というのが浮かんできました。その結果、キャラクタたちが深みを増していき、途中から一気にスピードアップしました。

こうして振り返ってみると、やっぱりキャラクタが重要なんだな、と改めて思います。キャラクタが深くなればなるほどストーリーが深まっていくのを肌で感じました。ストーリーは一にも二にもキャラクター!当たり前なんですけど、それを再認識させてくれたのが、今回の本でした。いい経験になったと思っています。

*1:といいつつ、その間全く書かない時期もあったので、十五年というのは言い過ぎなんですが……