筆を置く瞬間

日ハムvs阪神が見たくてスカパー!を衝動買いした赤木です。こんばんは。本日の話題は、十余二萌雄氏の引退記念宴会についてと、そこから私が考えたあれこれです。
私と業務提携関係(?)にあった十余二氏が引退すると聞いたのが、二月頃。最初は「えー」という感じだったが、よくよく話を聞くと、同人はやめるが、より高いレベル、高い舞台に立つために、文芸同人の方面に進むとのこと。少しホッとする。
十余二氏は2004年のぶんぶん!で知り合って以来、私が委託を受けたり、お互いに本を交換したりと、同じジャンルでやっているよき友人である。その人の同人引退記念となれば行くしかない。5/5に宴会が予定されているとのことで、私はすぐに行く旨を伝えた。
さて5/5。コミティア開催日である。だが、早く行くとパンフレットを買わされるので*1、終了ギリギリに行こう!と決めて、テレビで西武vs日ハムを見る。全く、松坂相手に1回裏に五点くれてやるチームがどこにあるんだ、どこかにストライクを投げられる投手はいないのか、と嘆きつつ、家を出る。
新木場到着。この段階で予定通り15:25。今から行けばちょうどギリギリだ。ただ少し早く行きたいので、ここはタクシー。新木場駅からは1300円で行くことができた。早速会場入り。
会場に入ると、すでに片づけが始まっていた。うむ、早く帰る人が多いんだな、と一人で考えて十余二氏のスペースに行く。隣のスペースの光俊太郎氏がいた。早速井川の悪口を言う。二人で少し、阪神話に花が咲いた。
「ところで、隣にいるはずの十余二さんはいますか?」と聞く私。隣にいるはずなのに、なぜかすでに片づけられて誰もいない。この時、私に少し嫌な予感が走る。「ああ、もう帰りましたよ」と光氏。「うっそ〜ん、もしかして、コミティアって終了15:30ですか?」と私。「はいそうですよ」と光氏。終了時刻間違えちまったよ・・・つうか調べろよ俺!!とはいえ同時にコミティアに参加していたjimmyさんと話をしつつ、そう言えば電話番号を知っていたよ俺ということで電話したところ、まだ水上バスの所にいるとのこと。電話して追いかけて、無事会えた。一緒にいた福地さん*2記念に一枚、ビッグサイト入り口で写真をパチリ。その後、水上バス*3で浜松町へ行き、会場の秋葉原へ。
宴会はお疲れ様でした、ということでつつがなく始まり、つつがなく進む。最初に「十余二創作館 サークル全史」なる本をもらう。これまでの活動の歴史をまとめたとのこと。かなり格好いい。しかもイベントごとの売上数、売上をまとめており、読んでいて楽しい。「最初の売上は一冊ですか!」てな具合に盛り上がりつつ、この本をサカナにして話をする。
しかし・・・十余二さんは文芸同人をやるという実に前向きな理由で同人誌をやめることになったが、はて、自分はどうだろうかと思う。自分が筆を置く瞬間は、一体どうなっているのだろうか。
今だから言えるが、昨冬、コミケットで不調に終わった際に、もうやめようかと真剣に検討した。理由は不調だったことではなく、ときめきがなくなったこと。かつてはコミケットに参加する前や、参加したときは、知らないことばかりで、参加することそのものが楽しかった。そしてたくさん売れたときは「うおっしゃ〜」と手を叩いたものだった。だが、冬はルーチンに沿って準備して参加して、売上数も毎回同じぐらい(ただし、毎回買ってくださる常連の方への感謝を忘れたことはないことだけは強調しておきます。毎回買ってくださる方々、本当にありがとうございます)。正直、おもしろさがほとんどなかった。それまで参加するごとに感じていた「これぞ俺の生きる道」という充実感もなかった。その時の売上面の不調も相まって、「もういいかな」と思ったのである*4
ただ、その後の3/21コミスペでの楽しい出会いがあったこと、4/3蒲田で成功したことなど、同人関係ではいいことが続いた。そして私自身も、もう少しやってみたいことが生まれたため、「光と共にありて」終了と同時に引退、というのは撤回することにした。だいたい、少しぐらい売上が悪かったぐらいでやめるなどと言い出したら、いろいろな人に怒られてしまいそうだ。
とはいえ、私もいつかは同人誌を書かなくなる時が来るはず。それは、一体どういう時なのだろうか。冬の時みたいに、寂しい気持ちでビッグサイトに背を向けながら去るのか、それともやりたいことをやり尽くして満足し、万歳しながら消えるのか、はたまた年齢、生活事情がからむのか・・・私の筆を置く瞬間は、どのようにして訪れるのか? 今は、想像しないことにする。
宴会は様々な話題で盛り上がり、最後に秋葉原駅前で十余二さんからエールをもらって終了。すごく嬉しかった。
十余二さん、お疲れ様でした&これからも頑張ってください。新天地でのご活躍を心より期待しております。

*1:コミティアを始めとして、ほとんどの同人誌即売会はパンフレットの購入が入場券の代わりになる。コミケしか参加していないとこの辺が盲点である。

*2:十余二さんの仲間のイラストレータ。映画に深い造詣あり。

*3:余談だが水上バスかなりいいです。楽しいです。今後はこれを使うことを決定!

*4:今にして思えばあの冬の時はかなり寒くて、眠くて、体調がよくなくて・・・要するに心理的に明るくなるる要因がまるでなかったということもあったかもしれない。