この作家に注目だ

編集手帳」を更新しました!最新刊の2本です。うーん、「こちら編集部〜炎の選挙戦」もまだ全部編集手帳全部書いてないんですよね……こちらはもう少しお待ち下さい。

さて、「編集手帳」に「りぼん」の話を書きました。かいつまんで言うと、冬コミ新刊「こちら編集部〜心の傘は」では、「のえる」という少女漫画雑誌が出てくるのですが、これは「りぼん」を参考にしている、という話です。
以前から何度か話題にしているとおり、私は以前「りぼん」を読んでいました。最近は全然読んでなかったんですが、この本を書いていた12月初旬、資料として七、八年ぶりに「りぼん」本誌を買いました。資料とか言っていますが、本心では懐かしい気持ちの方が大でした。もっとも、「俺ってもう少ししたら娘に「りぼん」を買ってあげる年なんだがなぁ……何してるんだろ?」と思ったのも事実です……。

久しぶりに読んでみると、種村有菜以外に知ってる作家が全然いない……Wikipediaで調べたところ、「りぼん」はここ十年の間に部数が急減したため、てこ入れ策としてベテラン作家を切り、若手に大胆にシフトしたようです。なるほど、水沢めぐみ先生をはじめとした私にとってのなじみの作家椎名あゆみ吉住渉藤井みほな小花美穂らがいないのはそのせいか。大変残念ですが、漫画界は厳しい競争社会と聞きます。数を残せない作家が生き残れないのは仕方ないかも。それに、前述したベテランの書いてた漫画ってちょっとセンス古いところもあるから、最近の女の子にはその辺が敬遠されていたのかもしれません。

気を取り直して「りぼん」を読んでみたのですが、全体的に種村有菜の影響を受けているような絵柄が多いのは気のせいではないでしょう。この十年、ベテラン陣に代わって「りぼん」の看板を背負ってきたと言っても過言ではない種村有菜。他の作家陣の絵柄が似てくるのは必然かと思います。
さてそんな中で注目したのは、酒井まゆという作家の描いている「ロッキン☆ヘブン」。男子校から共学校に代わったばかりの学校に主人公、小西紗和が入学。クラスには男子が三十人以上、女子は主人公含めて二人という状態。しかもその男子は悪さばかりするという動物園みたいなクラス。しかしそんな中でも紗和はトレードマークの元気で問題を解決して活躍する、という話です。絵柄がすごくきれいで(種村系、と言ったら作者に怒られるのだろうか?)、「これは」と思ったので翌日単行本を買いました。予想通り、面白い。主人公が悪ガキ相手に奮闘していく様は、読んでいて「がんばれっ!」と応援したくなります。

巻頭に来ているところを見ると、人気があるのでしょう。本屋に行くと、成人向けかと思うような少女漫画が増える中、こういう健康的に面白い漫画に人気が集まるなら、まだまだ捨てたもんでもないな……と思いました。
酒井まゆ、今後チェックです!