新シリーズ構想あれこれ

構想の話です。
去年の夏頃、「こちらリリアンかわら版編集部」の終わりが見えてきた頃、次に何を書くか、私は何となく考えていました。薔薇刑事」の構想そのものは二年以上前からあった、と後書きに書きましたが、それ以外にもいくつか候補がありました。



「霞と桜」
検事の水野蓉子と刑事の佐藤聖が巨悪に立ち向かっていくストーリー。タイトルの霞は霞が関検察庁)、桜は桜田門(警視庁)を指しています。これは、高村薫の小説に出てくる合田刑事と加納検事を大いにモチーフにしています。
珍しくいいタイトルを思いついて悦に入った私は結構真剣に考えて調査もしたんですが、検事って捜査をしないんですね。現実的には送致される事件を右から左へ処理していくのが精一杯のようです。特捜部に行けば捜査することになりますが、この特捜部というのが調べていくとまた薄暗いところで……「あんなところに娘、じゃなかった蓉子はやれん!」と言うことで頓挫。


「弁護士もの」
検事がダメなら弁護士だ!ということで、蓉子を主人公にした弁護士ものを検討。しかし、考えている最中に「それってどんなカバチタレ?」と思った瞬間、終了。法律家でもなんでもない私が書くには難しすぎました。


「蓉子情歌」
この構想だけが、現役高校生時代を舞台にしています。高校一年生から卒業まで、彼女の心情を映していくというものでした。タイトルは、これも高村薫の「晴子情歌」より。
しかし、その手の同人小説って他にいくらでもあるんじゃないの? 心情描写で勝負したら負けちゃうyo!



ということで、結局「薔薇刑事」をやることにしました。細かな心情描写よりかは勢いでストーリーを進めていく方が得意なので、この結果は必然なのかも、と思っています。